この小説は3,4年前に図書館で借りて読んだのですが、古本屋で安く売っていたので買いました。
ストーリーやトリックも覚えていたし、再読する必要はなかったのですが、最初の30Pくらい読んでみたら、なかなか夢中になったので最後まで読めました。
以下内容に言及。
1回目読んだときは、トリックがかなり衝撃的で、椎名のサクセスストーリー的な部分でもなかなか楽しめた記憶がありましたが、今回読んで、この小説の評価は下がりましたね。
まず第一に青砥、榎本に感情移入できない。青砥は弁護人を信用し過ぎだと思う。なぜ確信もないのに専務は無いと言い切れるのか?僕は今西の考えの方が正しいと思うし、弁護士としては今西の方が優秀だと思う。強気過ぎて不快にさえ思う。
そして榎本。僕自身、勧善懲悪的な思考があるのか泥棒探偵というのがどうも受け入れられない。それでいて榎本は「泥棒はありで殺人はタブー」だという考えがあるみたいで「お前が言うなよ!」と突っ込みを入れたくなります。しかもラストは椎名の家に侵入していますよね?これは推理小説としては失格です。
次にトリック面ですが、専門要素が強すぎて現実的な感が無い。スマートさに欠ける。椎名は5回もビルに潜入していますし、薬の入手法、ガラスの件、ルピナスVの遠隔操作・・・やっぱり素人には分かりにくい。だから、口では言っても現実的には無理な気がするんですよね。この点でもトリックを当てる推理小説としては・・・感は否めません。まあ青の炎もそんな感じでしたが、青の炎はトリックが主題では無いので全く問題ありません。
貴志さんはシリーズモノで勝負できる作家さんではないですね。青砥榎本はキャラとしても駄目だし、人間としても何か出来過ぎていて気持ちが悪い。職業設定からして感情移入し難いから、ハッキリ言ってこの2人でシリーズモノを書いても、面白くないでしょうね。
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